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佐藤賢一『オクシタニア』v 林田力 wiki

  1. 2012/08/26(日) 22:45:03|
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佐藤賢一『オクシタニア』は中世フランスのアルビジョワ十字軍と異端カタリ派を描く歴史小説である。フランスは中央集権化した国民国家であるが、中世のオクシタニアは名目上、フランス王国に属していても、実質的には独立国であった。文化も言葉も差異があった。『オクシタニア』ではオック語を関西弁で表現することでイメージを出している。

佐藤賢一には『赤目−ジャックリーの乱』(英仏百年戦争中の農民反乱)、『カエサルを撃て』(ローマに対するガリアの戦い)、『剣闘士スパルタクス』(ローマでの剣闘士奴隷の反乱)と敗者を主人公とした作品が多い。これらは敗者でありながらも清らかな印象を残している(林田力「佐藤賢一と藤本ひとみ〜フランス歴史小説から幕末物へ」日刊サイゾー2011年10月17日)。『オクシタニア』も同じ系統に属する。

序盤はアルビジョワ十字軍の総大将シモン・ド・モンフォールが主人公である。英国議会政治の礎となったシモン・ド・モンフォールの父である。シモンは信仰心の篤い勇敢な十字軍騎士として知られるが、小説では揺れ動く心情が描かれる。そのシモンがオクシタニアの実態を知り、強靭な騎士として成長する様子が見所である。オクシタニアから見ればシモンは侵略者であるが、離合集散を繰り返すオクシタニア人の無定見さがシモンをして侵略を正当化させる。一方で家族には昔の頼りない父が良かったと思われており、複雑である。
http://www.hayariki.net/4/21.htm
中盤はトロサ市民エドモンが主人公である。異端の広がりの背景にはカトリック教会の腐敗があったが、カタリ派の教えにも問題があることが浮き彫りになる。後半は侵略される側のトロサ伯ラモン7世が主人公である。そしてエドモンと妻だったジラルダ、ラモン7世の三人が絡み合って物語が進んでいく。
http://hayariki.hatenablog.com/

他の佐藤作品と同じく本書にも気の利いた表現が盛り沢山である。たとえばラモン7世が戦争に勝利して敵城を占拠した後、敵の玉座を「豚の脂身みたいな男が愛用していた席」であるため臭いと言って一座を沸かせた。豚のような人間で臭いと言われる人間は現実にもいるためにニヤリとさせられる表現である。


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