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『テンペスト』v 林田力 facebook

  1. 2012/10/06(土) 13:16:04|
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夏クールのドラマの話題は男装対決である。夏クールは奇しくも主演女優が男性に扮する設定の作品が重なった。前田敦子主演の『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジテレビ系)と瀧本美織主演の『美男ですね』(TBS系)が注目されるが、仲間由紀恵主演の『テンペスト』(NHK BS)が意外な伏兵である。
男装ドラマの見どころは、何と言っても女性の男装姿である。男装という通常では見られない格好をすることで、女優の新たな魅力を引き出すことができる。古くは歌舞伎の創始者の出雲の阿国が男装によって人気を博した。一方で現実の男性になりきり過ぎると逆に女優のイメージを落としてしまう危険がある。
この点で『花ざかりの君たちへ』の前田敦子は男子高校生に溶け込んでいるものの、ダウンタウンの浜田雅功に似ているとも指摘され、アイドルとしては微妙なところである。話が進むにつれて主人公は恋愛対象になるため、ボーイッシュな女性的魅力のアピールを期待する。
『美男ですね』の瀧本美織は、外見はイケメン姿が決まっている。しかし、男性のふりは外見だけで、中身は女性である。もともとイケメンに囲まれるドジっ娘の胸キュン・ラブストーリーというスタンスであり、男っぽさや男らしさは期待しにくそうである。
『テンペスト』は池上永一の同名小説が原作で、19世紀後半の琉球王国を舞台とした時代劇である。性を偽って王府の役人になる女性・真鶴(仲間由紀恵)が主人公である。頭脳明晰な少女・真鶴は宦官と称して王府に出仕し、薩摩や清国、欧米列強の間に揺れる琉球を救うために活躍する。
当時は現代以上にジェンダーが厳然と存在する社会で、女性が男性になりすますことの緊張感は現代以上である。女性が男性に扮するということは、自らの内にある女性性を抑圧することになる。これは『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』には弱い。
『花ざかりの君たちへ』の主人公は性格的には男子高校生そのものである。女性であることが露見しないかのドキドキ感はあるものの、無理して男性を演じる悲壮感はない。『美男ですね』の主人公は双子の兄の一時的な代役と割り切れる立場であり、内面的には女性的な思考を維持している。これに対して『テンペスト』の仲間は家や国のために男性に扮するという重たい覚悟を背負い、朝倉雅博(谷原章介)への恋心など内なる女性性との葛藤を抱える。
『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』では主演女優の男装以外にも、イケメンに囲まれる女性主人公という共通設定がある。この点で『テンペスト』は外れるが、清国の宦官・徐丁垓役でGACKTが登場する。この徐丁垓は琉球乗っ取りを企む悪役で、原作では性格異常者に描かれている。妖艶なGACKTが演じるヒールと自分を押し殺した優等生的な仲間の絡みにも注目である。
一般に琉球は平和的な王国であったが、薩摩藩によって侵略され、虐げられ続けたという固定的な歴史観がある。1993年のNHK大河ドラマ『琉球の風 DRAGON SPIRIT』が典型である。これに対して『テンペスト』では守旧派の頑迷さや王宮の権力闘争など琉球王国の醜い面も描く。その一方で、薩摩藩士に爽やかで良心的な人物を配置する。
米軍基地の大半を押し付けられているなど沖縄の現状を鑑みれば、大和に虐げられる沖縄という歴史認識は基本線として維持すべきものである。それでも琉球王国や薩摩について固定的な歴史観に捉われない作品が登場したことは、それだけ日本とは異なる独自の国家であった琉球王国の存在が当然の前提となった証拠である。(林田力)
http://www.hayariki.net/pj3.html


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