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空知英秋『銀魂―ぎんたま― 46』v 林田力 wiki書評

  1. 2012/10/08(月) 11:46:09|
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空知英秋『銀魂―ぎんたま― 46』は尾美一編がメインである。尾美一編には米国のSF映画大作『スターウォーズ』のパロディがある。主要ゲストの尾美一はオビワン・ケノービを連想させる名前である。また、ジェダイ・マスターのヨーダのような外観の宇宙人(天人)も登場する。

パロディには定評のある『銀魂』であるが、尾美一編のパロディとしての捻りは浅い。問題はヨーダ風の宇宙人が悪役で終わっていることである。夜王鳳仙のようなスケールの大きな悪役ではなく、ちんけな悪役である。これは『スターウォーズ』ファンには面白くない。

『銀魂』にも事情がある。『スターウォーズ』の有名な悪役はダースベイダーである。『ドラえもん』でもアッカンベーダーというパロディのキャラクターが作られたほどである。しかし、既に『銀魂』では蓮蓬編(エリザベス編)でダースベイダーをモデルとしたキャラクター・米堕卿を登場させた。このためにダースベイダーは悪役として使えない。だからといってヨーダを何の哲学も持たない悪役に使うことは面白みに欠ける。

蓮蓬編は『スターウォーズ』以上に『起動戦士ガンダム』のパロディが濃厚であった。そこでも敵勢力をガンダムでは主人公サイドの連邦軍になぞらえるなど、敵味方が逆転していた。しかし、これはガンダムを深く理解した上でのパロディとして成立している。連邦は主人公サイドであるが、腐敗と人民抑圧の典型的な官僚組織である。敵軍であるジオンの主張に正論が含まれ、ジオンに感情移入する視聴者も少なくない。
http://hayariki.net/7/27.htm
実際、アムロ・レイの活躍も結果的に腐敗した連邦の延命に寄与することになり、物語としてはフラストレーションが蓄積する。だから、後期のOVAでは主人公は連邦サイドでもジオンに華を持たせている。『0083』では連邦の腐敗とジオンの栄光を描いた。『第08MS小隊』の主人公シロー・アマダはジオン兵と理解しあい、連邦軍を抜ける。『機動戦士ガンダムUC』では連邦成立時からの欺瞞を暴く。

故に連邦を敵と重ね合わせる銀魂のパロディも面白い。これに対して『スターウォーズ』のパロディは表面的に楽しむものである。(林田力)


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