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天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!』

  1. 2012/11/26(月) 19:47:04|
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天野明『家庭教師ヒットマンREBORN!』が連載を終了した。『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載されていた漫画である。まだまだ引き延ばすことも可能に見える余力を残した最終回となった。

主人公・沢田綱吉(ツナ)は勉強も運動もダメで気弱な「のび太」的な中学生である。このツナの前に赤ん坊リボーンが現れる。リボーンはイタリアのマフィア・ボンゴレファミリーの超一流ヒットマンで、ツナをボンゴレの10代目ボスにするための家庭教師になる。

『REBORN』ではミルフィオーレファミリーと戦った未来編が盛り上がった。『REBORN』はイタリアのマフィアの話であるが、主人公らは日本人であり、日本の漫画としての限界があった。これに対してミルフィオーレはマフィア風のメンバーが揃っていた。組織内部もホワイトスペルとブラックスペルに分かれ、読者を惹き付ける要素があった。

未来編の次の継承式編で戦った相手はメンバーの大半が日本人的風貌の中学生であるシモンファミリーである。漫画の世界であっても、あまりのリアリティーのなさが継承式編低迷の一因である。その意味でミルフィオーレの再登場は人気浮揚策になり、次の「虹の呪い編」で実現した。

「虹の呪い編」はオールスター勢揃いによるアルコバレーノの代理戦争である。アニメで先行して登場していた呪われた赤ん坊アルコバレーノが7人全員登場する。勝者一人だけ呪いが解かれるという代理戦争には黒曜、ヴァリアー、ミルフィオーレファミリー、シモンファミリーという過去の敵勢力が参加し、オールスター戦の様相を呈した。懐かしのキャラクターが再登場し、新たな盛り上がりを見せた(林田力「『家庭教師ヒットマンREBORN!』第37巻、オールスター戦で人気浮揚」リアルライブ2012年1月19日)。

バトル漫画では主人公達は戦いを重ねる度に強くなっていく。強さのインフレと呼ばれる現象であるが、『REBORN』も例外ではない。最初のバトル長編である黒曜編で戦った頃よりもツナ達は格段に強くなっている。武器も進歩している。そのため、ツナはビビっているものの、読者から見ると黒曜は敵としては見劣りする。黒曜のリーダーの六道骸も、お笑いキャラが板に付いてきている。その黒曜がどれだけ活躍するか、読者が想定する強さのランクを打ち破る意外性を「虹の呪い編」には期待していた。
http://www.hayariki.net/5/3.htm
ダメ少年もヒーロー的な活躍をする『REBORN』であったが、最終回ではダメなまま変わっていないことを強調する。それを肯定的に位置付ける。安易なリセット願望を否定する教育的価値ある作品である。自分の惨めな人生をリセットするために福島第一原発事故による放射能汚染からの自主避難を口実とした夜逃げ者もいるが、転落人生を深めるだけである(林田力「放射脳カルトと一線を画す保坂区政の脱原発」真相JAPAN第115号、2012年9月7日)。
http://hayariki.x10.mx/mccmccmcc3.html
最終回ではマフィアのボスになりたくないというツナの意思が形式的には尊重されている点も優れている。日本社会では状況の変化を理由に本人の意思を無視して話を進め、結果オーライと正当化する愚か者が多い。リボーンは形式的には本人の意思を尊重した点で優れた家庭教師の資質を示している。(林田力)


旧中村是公邸(羽澤ガーデン)のメモリーを保存する合意【転載】

  1. 2012/11/25(日) 13:54:04|
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2012年11月21日

ステートメント

旧中村是公邸(羽澤ガーデン)のメモリーを保存する合意の成立について

羽澤ガーデンの文化財と景観を守る会
総務理事 栗山尚一
総務理事 前野まさる

羽澤ガーデン開発差止訴訟弁護団長
弁護士 斉藤 驍

1 渋谷区広尾3丁目の旧中村是公邸(旧羽澤ガーデン)は、敷地全体が約3000坪の豊かな樹林につつまれた庭園があり、その中に大正時代に建てられた近代和風武家造りの母屋と離れがあった。中村是公は、夏目漱石と同年であり、無二の親友であった。満鉄総裁、東京市長等を歴任し、日本の近代史に大きな足跡を残した人物である。

この地には江戸時代から現在までの日本の歴史があり、庭と一体となる建物は、関東大震災、戦災、バブル期の乱開発をくぐり抜けてきた近代和風建築の貴重な証人であった。広尾・麻布周辺の景観を代表する豊かなみどりを擁し、また、第二次大戦後は料亭やレストランとして使用され、囲碁や将棋の名人戦の舞台となるなど、政治・経済・文化をはじめ、すそ野の広い人々とゆかりを持つところであった。

ところが、2007 年に、これらの建物と樹木を取り払い敷地全体にマンションを建築する計画が発表された。

これをきっかけに、この地のみどりと歴史を体現した趣のある建物と庭を惜しむ「羽澤ガーデンの文化財と景観を守る会」が結成され、建物と庭について国に重要文化財としての保存を働きかけ、周辺住民は裁判所に対して開発差し止めを求める訴訟を提起するなど、幅広く活動してきた。

2 しかし、残念なことに、マンション建築計画は進行し、昨年来、外周部の一部を残して樹木は伐採され、建物も取り壊されるに至った。

私たちはこの状況に心を痛め、せめて、この地にあった旧是公邸が、歴史的文化的なものであり、敷地全体が庭園を包む豊かな樹林であったことの記憶を、本件土地上に建設されるマンションの内外にとどめたいと考え、開発事業者である三菱地所レジデンス株式会社と交渉を続けてきた。

長期の交渉となったが、ようやく2012年11月20日、同社との間で、この方向での合意が「覚書」としてまとめられた。その詳細は資料のとおりである。これは、羽澤ガーデンを守る会の会員のみならず、みどりと文化に心を寄せる人々に見守って頂いた賜物である。

3 もはや庭園と豊かな樹林の大部分は失われ、私たちは、二度と、旧是公邸の3000坪の木立に包まれてみどりの大気に触れることも、豪壮な大正期の近代和風の邸宅を見ることもできない。
http://www.hayariki.net/7/8.htm
しかし今回、4年後の是公と漱石の生誕150 周年を前に、このような異例の形で、この地にあったみどりと歴史ある文化的な邸宅の記憶が新たな建物の内外に具体的な形で残されることになったことは、都市で続く開発の際の「土地の文脈」の記憶を残す一つの新しいモデルとなったものであって、私たちの使命の一端は果たされたと考えている。

私たちの活動を、共感をもって見守って下さった方々に深く感謝するとともに、多くの国民の皆様の共感により豊かに活用されれば幸いである。


水上勉『沢庵』書評 林田力 wiki

  1. 2012/11/24(土) 11:39:03|
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水上勉『沢庵』は沢庵和尚の一代記である。宮本武蔵や徳川家光らとの絡みやタクワンの開発者として知られているが、その生涯は必ずしも知られていない。その沢庵を本書は史料に基づいて生い立ちから詳述する。

『沢庵』は桃山時代から江戸時代初期に至る政治史の中で沢庵の人生を物語る。この時代は幕藩体制が強固になる過程で多数の人々が「長い者には巻かれろ」で権力に迎合した時代であった。仏教も支配体制に組み込まれ、葬式仏教に堕落した。その中で沢庵の権力に迎合せず、反骨精神と清貧生活を貫く姿勢は清々しい。東急不動産だまし売りと闘った立場として大いに共感する(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。

沢庵は紫衣事件で幕府に抗議して流刑に処せられた。『沢庵』では沢庵の権力に媚びない姿勢は紫衣事件以前から一貫していたことを描く。紫衣事件は江戸幕府の横暴であるが、その一方で既得権擁護者の抗議というネガティブな評価も成り立つ。現実に抗議活動が盛り上がらなかった背景には腰砕けになった僧侶もいたためである。しかし、沢庵は既得権擁護者ではない。地位を求めず、自ら清貧生活を貫いた。そこには痩せ我慢ではない自然体がある。それを『沢庵』は丁寧に描いている。贅沢することに喜びはない。
http://www.hayariki.net/4/23.htm
『沢庵』は大徳寺についても詳述する。室町幕府の庇護を受けた五山に対して大徳寺を後醍醐天皇に由来する朝廷ゆかりの寺と位置付ける。紫衣事件で朝廷と幕府が対立した背景が一層理解できる。また、『沢庵』には「大徳寺は茶道のサロン」との表現がある(27頁)。大徳寺と茶道の関係の深さは本書にも表れている。参禅した茶人を「よくお寺に行ったりして」と遊んでいるかのように非難した人物がいるが、茶道の研鑽について無知であることを暴露する発言である。(林田力)


メグレ『アナスタシア』書評 林田力 wiki

  1. 2012/11/23(金) 17:14:07|
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ウラジミール・メグレ『アナスタシア 〜響きわたるシベリア杉 シリーズ1〜』(ナチュラルスピリット)はシベリアの森林地帯で自然と共生する生活を送る女性アナスタシアとの不思議な交流記である。著者の体験を記述する形になっている。著者はペレストロイカで経済活動に目覚めた実業家である。西側の物質的な文明生活に憧れていた実業家がアナスタシアとの交流によって人生観を変えていく。

アナスタシアは技術優先、科学絶対の文明社会で忘れ去られた真理を語る。科学信奉者ならば非科学的と切り捨てるだろうが、現代文明の行き詰まりは明白である。水に挨拶すると水が力を持つという話もある。これは日本でも論争を巻き起こした話である。スピリチュアル思想の国境を越えた普遍性が実感できる。

アナスタシアは隠遁生活を送る賢者風の存在である。一方でアナスタシアは若い女性であり、性格にも若い女性風のところがある。このミスマッチが『アナスタシア』をユニークな書籍にしている。
http://www.hayariki.net/7/27.htm
また、著者は実業家であり、物質的な価値観に染まった人物である。そのために優秀な生徒とは言い難い。アナスタシアの発言に対して何度も激怒している。ある主張を伝えるために一人の人物に説明させるのではなく、話し手と聞き手の対話形式にすることはオーソドックスな手法である。古くはプラトンや論語がある。現代ではヨースタイン・ゴルデル『ソフィーの世界』がある。

これらの書籍では生徒の方も優秀な人物であることが多い。それによって聞き手の無理解による繰り返しを何度も読まされるもどかしさを回避できる。これに対して『アナスタシア』は聞き手のレベルは低い。このために肝心のアナスタシアの話が十分に聞けないが、それによって読者にもっとアナスタシアの話を聞きたいという渇望感を与えている。(林田力)


吉川永青『時限の幻』書評 林田力 wiki

  1. 2012/11/22(木) 20:18:08|
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吉川永青『時限の幻』は戦国時代末期の奥州を舞台に「会津の執権」と呼ばれた金上盛備と独眼竜・伊達政宗の二人を主人公とした歴史小説である。伊達政宗は戦国ファンならば説明不要の有名人である。金上盛備は会津蘆名氏の家老である。歴史ファンであっても戦国のヒーロー伊達政宗に潰される障害の一つという程度の認識が一般的である。その蘆名の視点の物語という点で先ず新鮮である。

奇しくも福島第一原発事故からの復興が社会的なテーマとなっている。大河ドラマも会津を舞台とした『八重の桜』が放送される。福島の復興を応援する立場としても、会津視点の歴史小説は楽しめる。著者もブログで「震災と事故で多分に実害を受け、また風評被害を受けて人の見る目が変わってしまった福島、会津も、いつか清々しい輝きを取り戻してくれる、という期待を込めてこの物語を送り出したい」と述べている(「永青の日々雑感」2012年10月13日)。

金上盛備の知名度は低いが、織田信長や豊臣秀吉との対面シーンやダブル主人公の伊達政宗を視点人物としたパートと半々にすることで、会津蘆名家に思い入れのない読者でも楽しめる。伊達家や蘆名家に起きたことのほとんどが相手方による陰謀として描かれている。政宗が奥州の覇者になった過程に新鮮な視点を提供する。

伊達政宗は一代で奥州の覇者となった「暴れん坊」として知られている。しかし、周辺の大名の視点で見ると政宗以前から伊達は強国であった。戦国大名は個人の才覚が強調されがちであるが、織田信長にしても武田信玄にしても父親の代からの蓄積を活かした面がある。伊達政宗にも同様な側面があることが理解できる。

金上盛備は伊達政宗の好敵手に相応しい知謀の武将である。政宗とは一進一退の攻防を繰り広げ、天下人の信長や秀吉とも渡り合った。しかし、人身掌握の点では問題がある。蘆名の有力家臣から反発や離反が相次ぐが、自業自得の側面がある。
http://www.hayariki.net/4/22.htm
盛備は最も忠実な味方になるべき相手にも真相を隠した。真相を知らされない家臣が疑念を抱くことは当然である。結果オーライで済まされるほど世の中は甘くない。また、敵に回してはならない親しくない相手に興奮して暴言を吐き、離反される。暴言を吐いた側は「一時の興奮による言葉で、深い悪意がある訳ではない」と軽く考えがちであるが、吐かれた側は根に持つものである。相手を尊重する配慮がなければリーダーの資格はない。

最後の摺上原の戦い直前で盛備も反省するが、「説明しなくても分かってくれるだろう」という基本的に古いタイプの人間である。新世代の政宗に滅ぼされることは歴史の必然と思えてくる。敗者の歴史を描きながらも、敗者を過度に美化しない歴史小説であった。(林田力)


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