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よしながふみ『大奥』林田力facebook書評

  1. 2013/01/16(水) 18:12:04|
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よしながふみ『大奥』は男女の立場が逆転した設定で江戸城の大奥を描く漫画である。将軍は女性で、大奥には美男3000人という世界である。映画やテレビドラマにもなっている。

第1巻では若い男子を死に至らしめる疫病の蔓延を説明する導入部に続き、大奥に入った男性の視点で大奥が描かれる。そこは男の妬みが渦巻く陰湿な世界であった。史実と同じく七代将軍家綱は夭逝し、紀州藩主・徳川吉宗が将軍職を継承する。様々な改革に取り組む吉宗であったが、現在の大奥の仕組みにも疑問を持つ。

大奥は男女の立場が逆転したという奇抜な設定が注目される。それでも前半の視点人物のエピソードでは前近代社会の非合理さと時代劇的な人情で話をまとめている。歴史作品として荒唐無稽な設定でありながらも、歴史作品的な雰囲気は濃厚である。

現代人の常識とは異なる設定であるが、劇中人物はその設定を当然視する世界におり、奇抜とは思っていない。ここに読者とのギャップがあるが、改革志向の吉宗に疑問視させることで読者の目線に近付いている。謎の説明が期待されるところで第1巻が終わっており、続きへの期待が高まる。
http://www.hayariki.net/7/41.htm
第6巻は徳川綱吉の晩年から徳川家宣、徳川家継の時代を描く。第2巻から男女逆転になった経緯を振り返り、第6巻で第1巻の時代に戻ってきた形である。専制君主・綱吉の孤独、家宣の名君ぶり、柳沢吉保や間部詮房の忠義など歴史上の物語を男女逆転で描いている。大奥の贅沢が幕府財政を圧迫することが示唆されており、今後の物語への影響が興味深い。

家宣、家継時代は新井白石の正徳の治として知られる。『大奥』では白石の出番は僅かであるが、家継の教師として鎖国とともに女子が家を継ぐことは本質的ではないと主張させている。物語世界の本質を突いている。

白石は儒学者であるが、その学風は硬直的なものではなく、実学を志向していた。密入国した宣教師シドッチを尋問して西洋紀聞を著したことは有名である。儒学者の実学精神が、同じ儒教国の朝鮮や清国と異なり、日本が西洋文明を容易に受け入れられた一因である。その意味で白石に男女逆転の本質を突かせていることは興味深い。(林田力)


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