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ディレイニー『魔使いの運命』

  1. 2013/04/27(土) 13:50:04|
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ジョゼフ・ディレイニー著、田中亜希子訳『魔使いの運命』(創元ブックランド、2013年)はファンタジー小説のシリーズものの一冊である。魔法の息づく中世ヨーロッパ的世界が舞台である。

主人公トムは魔使いの弟子で、魔王に命を狙われている。師匠ジョン・グレゴリーや友達アリスと共に戦災を逃れてアイルランドに来たものの、魔術師と地主連合の戦いに巻き込まれる。但し、全く新しい土地での新しい冒険という訳ではなく、魔王やケルトの魔女という過去の因縁の方が中心である。オムニバスではなく、過去の作品の上に成り立つシリーズ物である。

魔使いは悪霊などの闇と闘う仕事であるが、『魔使いの運命』では闇と闘うために闇の側の人物と共闘し、闇の力を利用するというアンビバレントな立場に陥る。「正義のために悪の力を役立てる」「終わりよければすべてよし」というナイーブな御都合主義ではなく、闇との緊張関係が強く自覚されている。

アリスの以下の台詞が重たい。「闇の力を使うたびに、使ったものを変えてしまうからよ。少しずつ闇に近づいて、最後にはけっきょく闇の一部になってしまう。そうなったら、自分を失って、もとの自分に戻れなくなるの」(330頁)
http://www.hayariki.net/tokyu/15.htm
これは現代日本社会にも当てはまる。ブラック企業やブラック士業にいるとブラックに染まってしまう。最初はブラック企業やブラック士業に搾取される被害者だった人が、パワハラなどで同僚を過労死などに追いやる加害者になってしまうことと似ている。

次巻は新たな場所で新たな冒険が始まることを予感させるが、『魔使いの運命』で生じたアリスの変化は、その後の物語に影響しそうである。一つの物語は完結させながらも、続編が読みたくなる結末であった。
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憲法改悪を許さないために―都知事選を闘って

  1. 2013/04/23(火) 22:30:04|
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憲法カフェ 〜 非戦 非核 非暴力をともに考える 〜 
第4回 2013年4月27日(土)16時〜18時30分 開場15時半
    「憲法改悪を許さないために―都知事選を闘って―」
                 宇都宮健児さん (弁護士・東京市民法律事務所)
昨年の衆議院選挙の結果、自民党が政権に戻り「憲法改悪」「原発再稼働」が目論まれています。
「命よりお金が大事?」もし改悪されたら私たちの生活・子どもたちの未来はどうなってしまうのでしょうか。
弁護士であり、また都知事候補として選挙を闘った宇都宮健児さんのお話を伺い、私たちが今すべきことを共に考えましょう。
■場 所:東京YWCA会館 1階 サロン
■参加費:500円(お茶つき)
※当日参加もOKですが、事前申し込みをお願いします。
■託児:4/17(水)までにお申し込みください。
対象 1歳6ヶ月〜小学校就学前の子ども 1人1000円
    小学生託児希望の場合 1人500円
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クェンティン『人形パズル』

  1. 2013/04/20(土) 14:55:03|
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パトリック・クェンティン著、白須清美訳『人形パズル』(創元推理文庫)はピーター・ダルース海軍中尉と女優アイリス夫妻を主人公としたミステリー「パズルシリーズ」第3作である。第二次世界大戦中のアメリカ合衆国サンフランシスコが舞台である。

主人公は愛妻との貴重な休暇を楽しみたい海軍将校であるが、殺人事件に巻き込まれる。巻き込まれ型はミステリーの王道であるが、巻き込まれることを「待っていました」と心の奥底で期待しているかのように、巻き込まれてイキイキとするキャラクターが多い。これに対して主人公は夫婦水入らずの休暇を妨害されたくないという思いが強く、その思いと展開とのギャップがユーモラスである。

ストーリーは展開が速く、飽きさせない。真犯人のどんでん返しも用意されていて、ミステリーとして秀逸である。犯罪者の動機や背景の説明が真犯人のモノローグや名探偵の解説ではなく、犯罪学者の論文になっている点は意表を突かれる。唯一読みながら残念な点は犯罪者の正体を知っている人物の自称「病気」である。

これは病気と呼ぶものではなく、だらしなさに過ぎない。この人物がまともであったならば殺人は防げたのではないかと思いながら読んでいた。しかし、最後の最後で彼の「病気」中の行動が犯罪者の計算を狂わせたものであることが明かされる。これで彼の「病気」に対する後味の悪さが解消された。ストーリーが練られていると感心させられた。
http://hayariki.net/tokyu/9.htm
『人形パズル』は戦時中の物語であるが、「お国のために」と戦争一色であった日本とは大きく状況が異なり、それなりに市民生活を謳歌している。彼我の国力の差から日本が無謀な戦争をしていたことを改めて実感できる。

政治性や社会性の強い作品ではないが、好ましいものに対する形容として「日本の捕虜収容所で何ヶ月も過ごした後の白パン」という表現が登場する(15頁)。満足な食事も食べさせない日本軍の捕虜虐待は政治性の乏しい文学作品でも一般化していることが理解できる。巻末の「解説」が指摘するように「アメリカ市民社会の精神風俗を示す一資料としても興味深い」(227頁)書籍である。


排外主義を克服する羊の中の山羊

  1. 2013/04/19(金) 21:59:25|
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■第50回草の実アカデミー「排外主義を克服する羊の中の山羊」森達也氏講演
講師 森達也氏(作家・ドキュメンタリー監督・明大特任教授)
日時 4月20日(土)6:05開場 6:20開始 8:50終了
場所 文京シビックセンター地下1階 アカデミー文京学習室
     東京都文京区春日1−16−21 
交通 東京メトロ後楽園駅 丸の内線(4a・5番出口) 南北線(5番出口)1分 
   都営地下鉄春日駅 徒歩1分
   JR総武線 水道橋駅(東口)徒歩9分
資料代 500円(会員無料)

主催・問い合わせ先 草の実アカデミー 
http://kusanomi.cocolog-nifty.com/blog/

 オウム真理教の信者を描いた記録映画「A」「A2」の監督・森達也さんは、「王様は裸だ!」と言ってしまうアンデルセン童話に出てくる少年のような人である。しかし最近、森さんの講演を聞いていて、少年というより山羊(ヤギ)だと思うようになった。その意味するところは、ぜひ講演を聞いていただきたい。
 日本を震撼させたオウム真理教事件と人を追い続けるなかで、人びとが集団化し、安全・安心をもとめて監視社会を産み、異分子を排除し、刑罰の厳罰化をもとめる・・そんな社会を森さんは見てきた。ある集会で森さんは次のよう意味のことを話した。
 もしあなたが夜自宅へ帰る途中に暴漢に襲われたものの一命をとりとめ、犯人も逮捕されたとしよう。でも動機がわかならい。物取りなのか、恨みなのか、通り魔的な犯行だったのか、どうやってあなたの帰宅ルートを知り得たのか・・・すべてがわからないまま捜査は打ち切り判決がくだり、犯人は刑に服した。でも、犯行の理由が全くわからないから、また同じことをされるかもしれないし、もう深夜ひとりで歩けなくなる。
 不安が募ると、武器をもつかそれを持った強い人や組織に守られたいと思う。もしくは集団で歩けばこわくない。こうして集団主義化と異分子排除、異分子がいなければ捜し無理やりつくり排外主義に陥る。オウム真理教事件も「なぜ」を解明せず処罰して終わらせようとしている。その結果がいまの状況がある。
 モンゴルを旅行した森さんは、羊の群れのなかに山羊(やぎ)がいる不思議な光景を見かけた。ここに負のスパイラルを克服するヒントがある。一緒に考え、何かをつかみましょう。4月20日夜6時5分(受付開始)、文京シビックセンター地下1階でお待ちしています。(草の実アカデミー代表 林克明)


『活断層』開発は百害あって一利なし

  1. 2013/04/16(火) 20:40:25|
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堺屋太一『活断層』(アメーバブックス、2006年)は離島の石油備蓄基地建設反対運動に翻弄される事業者側従業員を描いた小説である。一般に住民反対運動は善でデベロッパーは悪という価値基準がある。これは東急不動産だまし売り被害者である『東急不動産だまし売り裁判』著者にとっては明白すぎるほど明白である。これに対して本書はデベロッパー側の人間を主人公として、反対運動側を不気味に描く。

それでも反対運動に小気味良さを覚える。村人は石油基地建設で地元は何のメリットも受けていないと主張する。工事によってダンプカーが走り回り、騒音被害が生じ、安全な生活が脅かされる。石油基地が大事故でも起こしたら、銭金の問題ではない。これは原発推進派に聞かせたい言葉である。

より重要な点は一般に開発の恩恵とされていることも不利益と受け止めていることである。建設工事では雇用が生み出されたが、それはサトウキビ畑の働き手が奪われることを意味し、地域にはマイナスである。外部から来た労働者は地元商店で食品などを購入するが、それは商品の品薄による物価の上昇を意味し、地元消費者の生活を苦しめる。現実の日本社会は目先の経済的利益に釣られて乱開発を受け入れてきた。だからこそ『活断層』の村人の論理には輝きがある。開発は地域に百害あって一利なしである。
http://www.hayariki.net/tokyu/4.htm
『活断層』の主人公は開発を進める事業者側の従業員である。彼は誠実に地元の声を聞こうとする人物として描かれる。これは二子玉川ライズなど現実の開発紛争とは大きく異なる(林田力『二子玉川ライズ反対運動1』Amazon Kindle)。それでも開発推進者は本当の意味で地元に向き合ってはいない。著者も「彼の努力はエリートの努力の域を出ていなったのではないだろうか」と振り返っている(421頁)。その地元への配慮には独り善がりな虚しさが漂っている。
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