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『高層難民』林田力ブログ書評

  1. 2013/05/12(日) 15:07:03|
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渡辺実『高層難民』(新潮社、2007年)は高層ビルの問題を指摘した書籍である。地震に対する高層ビルの脆弱性を明らかにし、大地震で高層マンション住民が難民化すると警告する。超高層ビルの乱立する首都圏や関西圏、東海圏で巨大地震が起こった際には想像を絶する事態が待ち受けている。

不動産業者は高層マンションの免震構造をセールスポイントする。しかし、ビルは倒壊を免れても、エレベータ閉じ込めや停電などの問題が発生し、高層マンション住民は高層難民となる。このような不都合な事実を東急リバブル東急不動産のような不動産業者は説明しない(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス)。

『高層難民』には高層マンション住民が個人レベルで採る生き残り策も書かれているが、根本的な問題として高層マンションが外部不経済であると実感する。東日本大震災でも高層マンション住民が避難所を利用し、避難所を運営する町会から批判の声が出た。高層難民の発生は社会にとって大きな負担である。

災害時に問題になるような高層マンションの建築を規制することが最も効果的な防災対策になる。東京都世田谷区の二子玉川ライズなど住民の反対を無視してまで高層ビルが建設されているが、見直すべきである。既に建てられた超高層ビルも減築が具体的な解決策になる(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「二子玉川ライズは減築を」)。

実は東日本大震災で家の中がメチャクチャになったなどの被害を受けた超高層マンションも少なくないとされる。しかし、資産価値が落ちるというプチ・ブル的な理由から中々実態は明らかにならない。高層マンションの問題について多くの情報提供が求められる。
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