容量2GB!アクセス解析&動画ファイルも可能な無料ブログ。アフィリエイト完全対応。
  最新画像一覧   /    おもしろブログが満載! シャッフル ブログ  /     無料登録  

『白竜LEGEND 23』東急建設の暴力団利用が下敷き

  1. 2012/07/16(月) 11:09:03|
  2. ブログ|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
天王寺大原作、渡辺みちお画『白竜LEGEND』は独立系暴力団・黒須組の若頭・白竜こと白川竜也を主人公とした作品である。話の中心は暴力団のシノギである。稲川会による東京急行電鉄株買占め事件など現実に起きた事件を下敷きにすることが多く、劇画的な意味でのリアリティがある。

『白竜LEGEND 22』は前巻から引き続き、「野獣空港」編である。「野獣空港」編は稀に見る長編となった。敵はゼネコン、都知事、暴力団、主人公サイドも白竜と下請け建設会社というように複数のアクターが各々の思惑で動いている点が物語を複雑にしている。単行本では複数のエピソードが収録されることが多いが、この巻では丸々「野獣空港」編である。しかも完結していない。次の『白竜LEGEND 23』で完結する。

「野獣空港」編では大手ゼネコンとヤクザの癒着をあからさまに描く。『白竜』では暴力団の東急電鉄株式買い占めなど現実の黒社会の事件を下敷きにしたストーリーが多い(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。野獣空港編のゼネコンと暴力団の癒着も東急建設が暴力団系企業を下請けに使っていた事実を連想させる。

東急建設と暴力団の癒着を踏まえると「野獣空港」編はタイムリーなテーマであるが、『白竜LEGEND 22』では一歩踏み込む。建設会社が暴力団と癒着することについて、建設会社側は暴力団からの嫌がらせを避けるためと言い訳することが多い。

実際、東急建設も警視庁組織犯罪対策3課に「暴力団を懐柔しないと暴力団の嫌がらせを受ける」と釈明したという(「暴排通告企業脅す 道仁会系社長を逮捕」産経新聞2011年10月18日)。この種の言い訳によって暴力団と癒着した建設会社は自分達にも被害者的な側面があると自己正当化を図ることができる。

しかし、これは我が身かわいさの言い訳に過ぎない。「野獣空港」編のゼネコンはマスメディアに真実を話そうとする下請け建設会社を黙らせるために暴力団を利用した。暴力団と癒着する建設会社も市民社会の敵である。建設業界と暴力団の癒着の闇の深さを浮き彫りにする。

野獣空港編の面白さは下請け建設会社という弱い立場の存在が主人公サイドのアクターになっていることである。白竜という何事にも動じないチート的な存在が主人公である通常の展開とは異なる魅力がある。下請け建設会社には白竜のような知恵も力もない。普通ならばゼネコンに利用され、泣き寝入りさせられる存在である。

それが白竜に煽られてゼネコンと対決姿勢を示した結果、ゼネコン側の反撃で一層窮地に追い込まれてしまう。白竜に一杯食わされたとぼやきたくなるところである。実際、下請け建設会社社長は、それに近い発言をしている。

しかし、それで終わらないところが、下請け建設会社の偉いところである。泣き寝入りをしたところで、それにゼネコンが恩義を感じることはなく、潰されるだけだと分析する。故にゼネコンとの対決姿勢は正しかったと結論づける。

残念ながら、ここまでの考えに到達できる人は現代日本では少ない。大企業などはアメとムチで消費者や労働者、下請け企業など立場の弱い人々に迫る。アメが本当にアメならば一応は取引として成り立つが、往々にして悪徳企業はアメの期待を持たせるだけで何らのコミットもしない。用が済めば弱者の期待は裏切られる。
http://hayariki.net/5/76.htm
ところが日本では甘い期待から戦うことを放棄し、すりよってしまう愚か者も少なくない(林田力「ネット右翼は東京都青少年健全育成 条例で目を覚ませ」PJニュース2010年12月20日)。下請け建設会社社長のような腹をくくった人が多ければ閉塞感漂う日本社会も、もっとましなものになるだろう。

野獣空港編では腐敗の背後に開発推進で甘い汁を吸う東京都知事が描かれる。現実の石原慎太郎都知事は歯に衣着せぬ言動の数々から漫画でパロディー化されることも少なくない。石原知事に批判的な立場からも暴言やタカ派的な政治姿勢が揶揄される。

しかし、暴言を強調することは石原都政の問題の本質を明らかにする上で必ずしも有効ではない。石原都政の本質は構造改革路線の先取りであり、開発優先であるためである。ユニークなタカ的言動は冷酷な新自由主義のカモフラージュになる(林田力「反石原慎太郎の多義性と曖昧性」PJニュース2011年5月10日)。その点で単なる利権政治家として都知事を描く『白竜』は意外にも都政の本質を突いている。


<<  北本中学校・いじめ自殺裁判 東京地裁判決出る!  |  ホーム  |  『トリコ 19』『トリコ 20』v 林田力 wiki記者レビュー  >>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://hayachikara.dtiblog.com/tb.php/305-e2af4f91

書店リンク

アマゾン | 楽天ブックス | ビーケーワン | 枕石堂 | Yahoo!ブックス | JBOOK | livedoor BOOKS | オンライン書店e-hon | Neowing | ジュンク堂書店 | 紀伊國屋 | HMV | TSUTAYA | セブン&アイ