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『黒い壁の秘密』芝居かかった山岳ミステリー

  1. 2013/06/24(月) 22:17:04|
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グリン・カー著、堀内瑛司訳『黒い壁の秘密』(創元推理文庫)はイギリスのミステリーである。主人公アバークロンビー・リューカーはシェイクスピア俳優である。各章の見出しはシェイクスピアの『リチャード三世』からとっている。主人公を始めとする登場人物の台詞にもシェイクスピアなど様々な作品の台詞が使われる。

それによって物語を芝居かかった雰囲気にしている。現代日本でもシェイクスピアを引用した『絶園のテンペスト』という漫画があった(林田力『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』「『絶園のテンペスト』復讐と魔法」)。既にイギリスでは1952年の段階で同じ効果を持つ作品が出されていた。

『黒い壁の秘密』は休暇中の旅行先で事件に遭遇する。巻き込まれ型はミステリーのオーソドックスな手法であるが、主人公が事件に遭遇する理由を偶然で済ませる安直な手法でもある。そのために唐突に事件が勃発するなど不自然な展開になるものもある。シリーズ物ともなれば、何故主人公の行く先々で殺人事件が発生するのか、という話になる。

この点で『黒い壁の秘密』の開き直りは清々しい。主人公は探偵役をやりたくてたまらない。だから事故に見えるような出来事も殺人事件ではないかと疑ってかかる。「素人探偵とは、魚などどう見てもいそうにない池にも釣り糸を垂れずにはいられない酔狂な釣り師」とまで言い切っている(81頁)。
http://www.hayariki.net/10/15.htm
『黒い壁の秘密』は第二次世界大戦終結から10年も経っていない時期の作品である。戦争の記録も遠い過去にはなっていない。物語中で人の死に冷たい反応する人物が登場する。彼がそのようになった原因は「日本軍の手に落ちて、長いこと捕虜になっていた」ためである(98頁)。

日本軍の捕虜への非人道的扱いは小説世界でも常識になっている。アメリカのミステリーでも好ましいものに対する形容として「日本の捕虜収容所で何ヶ月も過ごした後の白パン」という表現が登場した(林田力『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』「『人形パズル』米国社会の精神風俗」)。日本の侵略戦争を美化する右翼的言説に対してアジア諸国だけでなく、欧米からも強く批判されている。日本軍の非人道性は欧米社会の奥深いところで認識されていることを理解する必要がある。

肝心のミステリーとしては真犯人の意外性に驚きを覚えるか、後半から予想できたとするかは意見が分かれるところである。少なくとも真犯人の設定には物語の秀逸さを感じた。イギリスは階級が固定化された階級社会とされる。階級社会では貧富だけでなく、人間としての尊さや卑しさも階級で評価されがちである。

これに対して『黒い壁の秘密』は、その種の固定観念を吹き飛ばす真相が用意されている。現代日本でも卑しい地上げやゼロゼロ物件業者の黒幕が大手不動産業者だったということは珍しくない。『黒い壁の秘密』の真犯人設定には爽快感がある。

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