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『テルマエ・ロマエ VI』林田力ブログ書評

  1. 2013/07/14(日) 17:44:05|
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『テルマエ・ロマエ VI』(2013年)は最終巻である。オムニバス型で人気のあるかぎり、永続させられると思われた『テルマエ・ロマエ』も一直線にフィニッシュを迎えた。

『テルマエ・ロマエ』は古代ローマ人と現代日本人を風呂好きとの視点で結びつけたユニークな作品である。しかし、そこにはローマ帝国に通用する日本の風呂文化という民族的自尊心をくすぐる要素もあった(林田力「『テルマエ・ロマエ』第4巻、長編化に賛否両論」リアルライブ2012年1月5日)。自分に自信の持てない人間は民族という枠組みで威張るしかない。現代日本社会の病理であるヘイトスピーチの起こる背景である(林田力『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』「東急不動産係長逮捕事件とヘイトスピーチ」)。

『テルマエ・ロマエ』もルシウスが日本の風呂文化に感嘆するだけでなく、温泉街に長期滞在して日本社会の負の面も見るようになった『テルマエ・ロマエ IV』から批判の声も出るようになった。しかし、作者は批判に妥協することなく、そのままの展開で完結させた。
http://www.hayariki.net/5/63.htm
『テルマエ・ロマエ VI』では現代日本人がローマにタイムスリップし、ローマの料理に感嘆する。これはルシウスの展開と完全に立場が入れ替わっている。自国文化だけが秀でているのではないという相互主義が表れている。ルシウスの語る「平たい顔族」の長所も威張らずに平和を愛好する民族となっている。日本の良さはヘイトスピーチなどの偏狭な愛国心を否定したところにある。
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