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城平京『絶園のテンペスト』v 林田力 wiki書評

  1. 2012/10/10(水) 22:37:04|
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城平京・原作、左有秀・構成、彩崎廉・作画『絶園のテンペスト』(ガンガンコミックス)はファンタジー漫画である。復讐と魔法をめぐる、時間と空間を越えた戦いを描く。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて2009年8月号から連載を開始した。

タイトルに『テンペスト』とあるようにシェイクスピアにインスパイアされている。冒頭には『ハムレット』の台詞「ああ、なんと呪われた因果か、それを直すために生れついたとは」が引用されている。

魔法を使ったバトル漫画であるが、人生観・世界観・価値観の異なるものによる人間ドラマ重視の作品である。巻き込まれ型の主人公、高飛車なヒロイン、暴走気味の友人と一見すると典型的なパターンに沿っている。しかし、主人公は巻き込まれるだけの存在ではなかった。友人に言えない秘密を持っている。それが物語に新しさを与えている。
http://www.hayariki.net/7/29.htm
主人公達の個人的な関心と、世界的な危機の物語が併存し、バランスが取れている。『絶園のテンペスト 1』のラストでは主人公側の前提の誤りを示唆する内容になっており、続きが気になる終わり方である。(林田力)


天王寺大『白竜LEGEND 24』

  1. 2012/10/09(火) 21:53:04|
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天王寺大原作、渡辺みちお画『白竜LEGEND 24』は経済誌記者が白竜に密着取材する。その中でベンチャー企業経営者の闇に迫る。職場イジメやパワハラ、退職強要が社会問題になっている中でタイムリーな話題である。今の日本では法律事務所にさえパワハラが内部告発され、退職者の会が結成されるほどである。

オムニバス的に話が展開する『白竜』であるが、筋運びに円熟味が増している。企業の不正につけこみ、新たなシノギの種にするという常道を崩すことで、新鮮味を与えた。女性記者を視点人物とすることで、白竜と経営者の人物を比較する。すっかりギャグ担当が板についた剛野組長をオチに持ってくることで、笑いもとっている。

白竜はヤクザであり、不法なシノギで利益を上げており、正義の立場ではない。しかし、結果的に社会悪を滅ぼすために勧善懲悪的なカタルシスがある(林田力「『白竜LEGEND』第16巻、 医療過誤追及でカタルシス」リアルライブ2011年2月12日)。その複雑な性質を象徴するものがドラッグ禁止の徹底である。白竜は任侠精神を体現している訳ではないが、ドラッグ禁止によって何でもありの悪人とは区別される。ドラッグ利用者を叩き潰すシーンは一般論として正義ではないとしても、爽快である。
http://hayariki.net/7/28.htm
翻って現代日本では脱法ハーブ(合法ハーブ)が社会問題になっている。東京都議会は平成24年第2回定例会で脱法ドラッグ対策強化を要請する意見書を全会一致で可決した。『白竜』は暴力団員による東急電鉄株買い占めなど時事ネタを取り上げてきた(林田力「『白竜LEGEND』第19巻、愚連隊は敵役としても力不足」リアルライブ2011年10月27日)。脱法ハーブ売人との戦いにも期待したい。


空知英秋『銀魂―ぎんたま― 46』v 林田力 wiki書評

  1. 2012/10/08(月) 11:46:09|
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空知英秋『銀魂―ぎんたま― 46』は尾美一編がメインである。尾美一編には米国のSF映画大作『スターウォーズ』のパロディがある。主要ゲストの尾美一はオビワン・ケノービを連想させる名前である。また、ジェダイ・マスターのヨーダのような外観の宇宙人(天人)も登場する。

パロディには定評のある『銀魂』であるが、尾美一編のパロディとしての捻りは浅い。問題はヨーダ風の宇宙人が悪役で終わっていることである。夜王鳳仙のようなスケールの大きな悪役ではなく、ちんけな悪役である。これは『スターウォーズ』ファンには面白くない。

『銀魂』にも事情がある。『スターウォーズ』の有名な悪役はダースベイダーである。『ドラえもん』でもアッカンベーダーというパロディのキャラクターが作られたほどである。しかし、既に『銀魂』では蓮蓬編(エリザベス編)でダースベイダーをモデルとしたキャラクター・米堕卿を登場させた。このためにダースベイダーは悪役として使えない。だからといってヨーダを何の哲学も持たない悪役に使うことは面白みに欠ける。

蓮蓬編は『スターウォーズ』以上に『起動戦士ガンダム』のパロディが濃厚であった。そこでも敵勢力をガンダムでは主人公サイドの連邦軍になぞらえるなど、敵味方が逆転していた。しかし、これはガンダムを深く理解した上でのパロディとして成立している。連邦は主人公サイドであるが、腐敗と人民抑圧の典型的な官僚組織である。敵軍であるジオンの主張に正論が含まれ、ジオンに感情移入する視聴者も少なくない。
http://hayariki.net/7/27.htm
実際、アムロ・レイの活躍も結果的に腐敗した連邦の延命に寄与することになり、物語としてはフラストレーションが蓄積する。だから、後期のOVAでは主人公は連邦サイドでもジオンに華を持たせている。『0083』では連邦の腐敗とジオンの栄光を描いた。『第08MS小隊』の主人公シロー・アマダはジオン兵と理解しあい、連邦軍を抜ける。『機動戦士ガンダムUC』では連邦成立時からの欺瞞を暴く。

故に連邦を敵と重ね合わせる銀魂のパロディも面白い。これに対して『スターウォーズ』のパロディは表面的に楽しむものである。(林田力)


『美男ですね』最終話v 林田力 facebook

  1. 2012/10/07(日) 11:24:04|
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TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の最終話「運命の再会…最後の告白」が9月24日に放送された。アジア中で大ヒットした人気韓国ドラマの日本リメイク版であったが、最後は皆が善人になり、主人公カップルの恋を応援するという日本的な大団円になった。

桜庭美子(瀧本美織)と桂木廉(玉森裕太)の恋の行方が見どころであるが、前回のラストで美子が明確に拒絶し、互いに相手を思って遠慮するために、当人達だけでは解決不可能である。その代わりに藤城柊(藤ヶ谷太輔)と本郷勇気(八乙女光)が恋の応援団となって、廉にハッパをかける。

美子が美男の替え玉をしていたという真相を知った事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)は強面に見えて美子に粋なエールを送る。身勝手な悪女・水沢麗子(萬田久子)も廉の心からのお願いで、あっさりと改心した。

これまでNANA(小嶋陽菜)に辛辣だった廉も最後はカッコいい言葉で励ます。それによって立ち直ったNANAは以前の悪女ぶりが嘘のように慈愛に満ちた表情で美子と廉を見つめる。小嶋陽菜がNANA役にキャスティングされた際は、ドラマの悪役イメージで本業のアイドルにも悪印象を与えてしまうのではないかとの余計な心配もなされたが、それを払拭する役どころで終わった。
http://www.hayariki.net/6/18.htm
クライマックスはライブの場での告白である。ライブそっちのけでの告白はスキャンダルであり、ライブを楽しみにしているファンへの裏切りにもなる。しかし、告白に事務所社長の安藤以下スタッフも喜び、出口(六角精児)らパパラッチ記者まで感動する。ファンまでが温かい反応をするという御都合主義になっている。

これは前クールの月9ドラマ『幸せになろうよ』と共通する。『幸せになろうよ』では香取慎吾演じる主人公が黒木メイサ演じるヒロインの勤務先に乱入し、告白する。告白が成立すると職場の同僚が拍手で祝う。

韓国ドラマが日本で人気になった一因として自我の強いキャラクターがぶつかる人間ドラマが、島国で同質性の強い日本人に新鮮であった面がある。これに対してリメイク版『美男ですね』は皆が主人公カップルの応援という同じ方向を向いた日本的なハッピーエンドとなった。(林田力)


『テンペスト』v 林田力 facebook

  1. 2012/10/06(土) 13:16:04|
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夏クールのドラマの話題は男装対決である。夏クールは奇しくも主演女優が男性に扮する設定の作品が重なった。前田敦子主演の『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジテレビ系)と瀧本美織主演の『美男ですね』(TBS系)が注目されるが、仲間由紀恵主演の『テンペスト』(NHK BS)が意外な伏兵である。
男装ドラマの見どころは、何と言っても女性の男装姿である。男装という通常では見られない格好をすることで、女優の新たな魅力を引き出すことができる。古くは歌舞伎の創始者の出雲の阿国が男装によって人気を博した。一方で現実の男性になりきり過ぎると逆に女優のイメージを落としてしまう危険がある。
この点で『花ざかりの君たちへ』の前田敦子は男子高校生に溶け込んでいるものの、ダウンタウンの浜田雅功に似ているとも指摘され、アイドルとしては微妙なところである。話が進むにつれて主人公は恋愛対象になるため、ボーイッシュな女性的魅力のアピールを期待する。
『美男ですね』の瀧本美織は、外見はイケメン姿が決まっている。しかし、男性のふりは外見だけで、中身は女性である。もともとイケメンに囲まれるドジっ娘の胸キュン・ラブストーリーというスタンスであり、男っぽさや男らしさは期待しにくそうである。
『テンペスト』は池上永一の同名小説が原作で、19世紀後半の琉球王国を舞台とした時代劇である。性を偽って王府の役人になる女性・真鶴(仲間由紀恵)が主人公である。頭脳明晰な少女・真鶴は宦官と称して王府に出仕し、薩摩や清国、欧米列強の間に揺れる琉球を救うために活躍する。
当時は現代以上にジェンダーが厳然と存在する社会で、女性が男性になりすますことの緊張感は現代以上である。女性が男性に扮するということは、自らの内にある女性性を抑圧することになる。これは『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』には弱い。
『花ざかりの君たちへ』の主人公は性格的には男子高校生そのものである。女性であることが露見しないかのドキドキ感はあるものの、無理して男性を演じる悲壮感はない。『美男ですね』の主人公は双子の兄の一時的な代役と割り切れる立場であり、内面的には女性的な思考を維持している。これに対して『テンペスト』の仲間は家や国のために男性に扮するという重たい覚悟を背負い、朝倉雅博(谷原章介)への恋心など内なる女性性との葛藤を抱える。
『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』では主演女優の男装以外にも、イケメンに囲まれる女性主人公という共通設定がある。この点で『テンペスト』は外れるが、清国の宦官・徐丁垓役でGACKTが登場する。この徐丁垓は琉球乗っ取りを企む悪役で、原作では性格異常者に描かれている。妖艶なGACKTが演じるヒールと自分を押し殺した優等生的な仲間の絡みにも注目である。
一般に琉球は平和的な王国であったが、薩摩藩によって侵略され、虐げられ続けたという固定的な歴史観がある。1993年のNHK大河ドラマ『琉球の風 DRAGON SPIRIT』が典型である。これに対して『テンペスト』では守旧派の頑迷さや王宮の権力闘争など琉球王国の醜い面も描く。その一方で、薩摩藩士に爽やかで良心的な人物を配置する。
米軍基地の大半を押し付けられているなど沖縄の現状を鑑みれば、大和に虐げられる沖縄という歴史認識は基本線として維持すべきものである。それでも琉球王国や薩摩について固定的な歴史観に捉われない作品が登場したことは、それだけ日本とは異なる独自の国家であった琉球王国の存在が当然の前提となった証拠である。(林田力)
http://www.hayariki.net/pj3.html


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